健康診断で「コレステロールが高いですね」と言われて、心配になったことはありませんか?
コレステロールは高くても自覚症状がほとんどないため、「元気だから大丈夫」とそのままにしてしまう方も少なくありません。しかし、特にLDLコレステロール(いわゆる悪玉コレステロール)が高い状態が長く続くと、動脈硬化が進み、将来の心筋梗塞や脳梗塞につながることがあります。
一方で、コレステロールが高い人すべてが、すぐに薬を飲まなければならないわけではありません。今回は、コレステロールの見方と、どのような場合に薬による治療を検討するのかについてお話しします。
🔍 「悪玉」と「善玉」、何が違うのでしょうか?
健康診断では、主に「LDLコレステロール」「HDLコレステロール」「中性脂肪」などが測定されます。
LDLコレステロールは、体の各所へコレステロールを運ぶ役割がありますが、多すぎると血管の壁にたまり、動脈硬化を進める原因になります。そのため一般に「悪玉コレステロール」と呼ばれます。
一方、HDLコレステロールは、余分なコレステロールを回収する働きがあるため「善玉コレステロール」と呼ばれています。
つまり、単に「総コレステロールが高い」というだけではなく、LDLやHDL、中性脂肪などを組み合わせて考えることが大切です。
💊 コレステロールが高い=すぐ薬、ではありません
LDLコレステロールが高かった場合でも、薬が必要かどうかは数値だけでは決まりません。
大切なのは、「その人が将来、心筋梗塞や脳梗塞を起こす危険性がどのくらいあるか」という視点です。
年齢、血圧、糖尿病の有無、喫煙、腎臓病、家族歴などを含めて総合的に判断します。同じLDLコレステロールの値でも、若くて他に病気のない方と、糖尿病や高血圧をいくつも持っている方では、治療の考え方が異なります。
❤️ 薬による治療を検討することが多いのはどんな人?
特に薬によるコレステロール治療を積極的に検討するのは、次のような方です。
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すでに心筋梗塞、狭心症、脳梗塞などの動脈硬化性疾患を経験している方
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糖尿病や慢性腎臓病などがあり、心血管病のリスクが高い方
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高血圧、喫煙、肥満など複数の危険因子を持っている方
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LDLコレステロールがかなり高い状態が続いている方
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家族にも若いころからコレステロールが非常に高い人や、若くして心筋梗塞を起こした人がいる方
特に、LDLコレステロールが非常に高い場合には、「家族性高コレステロール血症」という遺伝的な体質が隠れていることがあります。この場合は生活習慣だけでは十分に下がりにくく、早めから薬による治療が必要になることがあります。
薬が必要かどうかは、健診結果の数字ひとつだけで自己判断せず、医師と相談して決めることが大切です。
🥗 まずは生活習慣を見直しましょう
心筋梗塞などの既往がない方で、リスクがそれほど高くない場合には、まず食事や運動などの生活習慣を整えながら経過を見ることもあります。
食事では、肉の脂身やバター、生クリームなど動物性脂肪をとり過ぎないことがポイントです。その代わりに、魚、大豆製品、野菜、海藻、きのこ類などをバランスよく取り入れましょう。
また、ウォーキングなどの有酸素運動を無理のない範囲で続けることも、脂質異常症の改善や動脈硬化予防に役立ちます。体重が増えている方は、少し体重を減らすだけでも中性脂肪などが改善することがあります。
喫煙はコレステロール値とは別に動脈硬化の大きな危険因子です。コレステロールが高いと言われたことを、禁煙について考えるきっかけにするのもよいでしょう。
💡 「薬を飲み始めたら一生飲むのですか?」
診察室でもよくいただく質問です。
コレステロールを下げる薬の代表が「スタチン」という薬です。LDLコレステロールを下げ、心筋梗塞や脳梗塞のリスクを減らす効果が確認されています。
薬を中止すると再びコレステロールが上昇する方は多いため、結果として長期間服用することもあります。ただし、必要な薬や量はその人の状態によって異なります。
生活習慣の改善や体重減少などによって治療内容を見直せる場合もありますので、「一度飲み始めたら絶対に一生やめられない」と考える必要はありません。自己判断で中止せず、定期的な血液検査をしながら医師と相談していきましょう。
🏥 健診で指摘されたら、結果をそのままにしないことが大切です
コレステロールが高くても、すぐに症状が出るわけではありません。そのため治療の目的は「今の症状を治す」というよりも、「10年、20年先の心筋梗塞や脳梗塞を予防する」ことにあります。
「薬を飲むほどなのかな?」と思ったときには、LDLコレステロールの数字だけでなく、血圧や血糖値、喫煙歴、家族歴なども一緒に確認することが大切です。
大府市の健康診断や職場健診でコレステロールの異常を指摘された方は、健診結果を持って医療機関で相談してみましょう。生活習慣の改善でよいのか、薬による治療を考えた方がよいのかを、一人ひとりのリスクに合わせて判断していきます。
将来の動脈硬化を防ぐためにも、「症状がないから大丈夫」と放置せず、まずはご自身の状態を知るところから始めましょう。
大府市中央町の内科・小児科・消化器内科 村瀬医院
大府市中央町2-100
医師 村瀬和敏(総合内科専門医・消化器病専門医・消化器内視鏡専門医)


