「最近、夜中に何度もトイレに起きるようになった」
「トイレに行ったあと、なかなか寝つけない」
「年齢のせいだから仕方ないと思っている」
診察室でも、このようなお話を伺うことがあります。
年齢を重ねるにつれて、夜中にトイレに起きる回数が増える方は少なくありません。
しかし、夜間頻尿は必ずしも年齢だけが原因ではありません。 水分のとり方や生活習慣、睡眠の問題、さらには病気が関係していることもあります。
今回は、夜間頻尿の原因と、日常生活で見直したいポイントについてご紹介します。
🚻 夜間頻尿とは?何回起きたら問題なのでしょうか?
夜間頻尿とは、夜間の睡眠中に尿意で目が覚め、トイレに行く状態をいいます。
一般的には、夜間に1回以上トイレに起きることを夜間頻尿と呼びます。
ただし、1回起きるからといって、必ず治療が必要というわけではありません。
大切なのは、夜間のトイレによって睡眠や日常生活に支障が出ているかどうかです。
例えば、夜中に2〜3回起きて寝不足になったり、日中に眠気や疲れを感じたりする場合には、一度原因を確認した方がよいでしょう。
また、高齢の方では、暗い時間帯に何度もトイレへ行くことで転倒する危険性もあります。
🤔 なぜ年齢とともに夜間頻尿が増えるのでしょうか?
年齢を重ねると、夜間に作られる尿の量を調節する働きや、膀胱に尿をためる機能などが変化することがあります。
また、眠りが浅くなり、ちょっとした尿意でも目が覚めやすくなることがあります。
そのため、若い頃は朝まで眠れていた方でも、夜間にトイレへ行く回数が増えることがあります。
ただし、夜間頻尿の原因は一つではありません。
大きく分けると、
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夜間に作られる尿が多い
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膀胱に尿を十分ためられない
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睡眠の問題で目が覚めやすい
といった原因が考えられます。
これらが複数重なっていることも珍しくありません。
🍵 夕方以降の水分のとり方を見直しましょう
夜間頻尿の原因として、まず見直したいのが夕方から就寝前の水分摂取です。
健康のために水分をとることは大切ですが、寝る直前にお茶や水をたくさん飲むと、夜間の尿量が増えることがあります。
特に注意したいのが、コーヒーや緑茶などに含まれるカフェインです。
カフェインには尿を増やす作用があり、人によっては膀胱への刺激にもなります。
また、アルコールも尿量を増やしたり、睡眠の質を低下させたりするため、夜間頻尿につながることがあります。
まずは、夕食後から寝る前に何をどのくらい飲んでいるかを振り返ってみましょう。
ただし、夜間頻尿を気にするあまり、日中まで水分を極端に減らすことはおすすめできません。脱水を防ぐためにも、必要な水分はきちんととることが大切です。
🧂 塩分のとり過ぎも関係しています
意外かもしれませんが、夜間頻尿には塩分のとり過ぎも関係していることがあります。
塩分を多くとると、体内の水分調節に影響し、夜間の尿量が増える一因になることがあります。
特に、
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味の濃いおかずが多い
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漬物や加工食品をよく食べる
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麺類の汁を最後まで飲む
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夕食に塩分の多い料理を食べることが多い
という方は、少し見直してみるとよいかもしれません。
塩分を控えることは、夜間頻尿だけでなく、高血圧の予防や改善にもつながります。
まずは、できるところから少しずつ薄味を心がけましょう。
🦵 夕方に足がむくむ方は要注意
「夕方になると靴下の跡がくっきり残る」
「夜になると足がむくむ」
という方はいらっしゃいませんか?
日中、立ったり座ったりしている間に足にたまった水分は、横になって眠ると血液の循環に戻り、尿として排出されやすくなります。
そのため、足のむくみがある方では、夜間に尿量が増えることがあります。
こうした場合には、日中に適度に歩いたり、ふくらはぎを動かしたりすることが役立つ場合があります。
また、夕方に足を少し高くして休むことで、就寝前に水分が移動しやすくなる場合もあります。
ただし、急にむくみが強くなった場合や、息切れを伴う場合には、心臓や腎臓などの病気が隠れていることもあるため、医療機関への相談が必要です。
🩺 糖尿病や心臓・腎臓の病気が隠れていることも
夜間頻尿は、生活習慣だけでなく、内科的な病気が原因となることもあります。
例えば、糖尿病で血糖値が高くなると、尿の量が増え、夜間にも何度もトイレへ行くことがあります。
この場合、夜間頻尿だけでなく、のどの渇きや日中の尿量の増加などがみられることもあります。
また、心不全や腎機能の低下などが夜間の尿量に影響する場合もあります。
睡眠時無呼吸症候群も夜間頻尿と関係することが知られています。
特に、夜間頻尿に加えて、強いいびき、日中の眠気、足のむくみ、のどの渇きなどがある方は、単なる年齢のせいと決めつけないことが大切です。
🚹 男性は前立腺、女性は膀胱の問題が関係することも
夜間頻尿には、泌尿器の病気が関係している場合もあります。
男性では、加齢とともに増える前立腺肥大症が代表的です。
尿の勢いが弱い、尿が出始めるまでに時間がかかる、残尿感があるといった症状を伴うことがあります。
また、男女ともに過活動膀胱という病気が関係することがあります。
過活動膀胱では、急に我慢できないような尿意が起こり、日中もトイレが近くなることがあります。
原因によって必要な検査や治療は異なりますので、症状が続く場合には適切な診療科で確認することが大切です。
😴 「トイレに行きたいから起きる」とは限りません
夜間頻尿の方に、ぜひ知っていただきたいことがあります。
それは、尿意で目が覚めているとは限らないということです。
例えば、眠りが浅くて夜中に目が覚め、そのついでにトイレへ行っている場合もあります。
こうした場合には、膀胱や尿量の問題だけではなく、睡眠の質を改善することが大切になります。
寝る前のスマートフォンや飲酒を控える、起床時間を一定にする、日中に適度な運動をするなど、生活リズムを整えることも意識してみましょう。
📝 夜間頻尿が気になる方は記録をつけてみましょう
夜間頻尿の原因を考えるうえで役立つのが、排尿の記録です。
例えば、2〜3日程度、
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何時に寝たか
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夜中に何回トイレに起きたか
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1回の尿量はどのくらいか
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夕方以降に何をどのくらい飲んだか
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日中もトイレが近いか
などを記録してみましょう。
尿量も測定できると、夜間に尿が多く作られているのか、少量ずつ何度も排尿しているのかを判断する手がかりになります。
診察時にも役立つ情報ですので、無理のない範囲で試してみてください。
🏥 夜間頻尿は内科で相談してもいいのでしょうか?
「夜中にトイレが近いくらいで病院へ行ってもいいのかな?」
「泌尿器科に行くべきなのか分からない」
そう思われる方もいらっしゃるかもしれません。
夜間頻尿には、糖尿病や心臓・腎臓の病気、睡眠時無呼吸症候群など、内科的な原因が関係していることもあります。
そのため、まずはかかりつけの内科で相談していただいても大丈夫です。
診察では、普段の水分摂取や服用している薬、ほかの症状などを確認し、必要に応じて尿検査や血液検査などを検討します。
泌尿器科での専門的な診察が必要と判断した場合には、適切な医療機関への受診をご案内します。
特に、夜間頻尿が急に始まった場合や、血尿、排尿時の痛み、発熱などを伴う場合には、早めに相談しましょう。尿が出ない状態や強い痛みがある場合は、速やかな受診が必要です。
🌷 まとめ|「年齢のせい」と諦めないことが大切です
夜中に何度もトイレに起きると、十分な睡眠がとれず、日中の体調にも影響することがあります。
年齢とともに夜間頻尿が増えるのは確かですが、必ずしも加齢だけが原因ではありません。
水分や塩分のとり方、飲酒、足のむくみ、睡眠の質など、日常生活を見直すことで改善が期待できる場合もあります。
また、糖尿病や心臓・腎臓の病気、前立腺や膀胱の病気などが関係していることもあります。
「年齢だから仕方ない」と諦めず、まずは自分の生活習慣を振り返ってみましょう。
夜間頻尿が続いている方、睡眠に支障が出ている方は、一度医療機関へ相談することをおすすめします。
大府市中央町の内科・小児科・消化器内科 村瀬医院
大府市中央町2-100
医師 村瀬和敏(総合内科専門医・消化器病専門医・消化器内視鏡専門医)


