🌱 「少し体重を減らしましょう」と言われても…
健康診断や診察の際に、「少し体重を減らした方がいいですね」と言われたことはありませんか?
でも、特に体調が悪いわけでもなく、普段どおり生活できていれば、
「今のままでも困っていないし…」
「年齢とともに太るのは仕方ない」
「痩せた方がいいのは分かるけど、そこまでしなくても…」
と思ってしまう方も多いのではないでしょうか。
実際、診察室でも体重についてお話しする機会は多いのですが、体重を減らす必要性を本当に感じていただくことは、なかなか難しいと感じています。
今回は、食事制限や運動の方法ではなく、まずは「体重を減らしてみようかな」と思っていただけるようなお話をしたいと思います。
💡 痩せるための第一歩は、本人が「痩せたい」と思うこと
体重を減らすためには、食事や運動など、日々の生活習慣を少しずつ変える必要があります。
しかし、どんなに良い方法を知っていても、本人が「今のままでいい」と思っていれば、なかなか行動にはつながりません。
反対に、「少し体重を減らしてみよう」と思えるようになると、食事の量を意識したり、間食を減らしたり、歩く機会を増やしたりと、自然に行動が変わり始めます。
体重を減らすために一番大切なのは、特別なダイエット方法を知ることよりも、まず自分自身がその気になること。
私はそう考えています。
🩺 体重が増えても、すぐには困らないからこそ注意が必要です
体重が増えたからといって、すぐに痛みが出たり、体調が悪くなったりするわけではありません。
そのため、多少太っていても「今のままで大丈夫」と感じやすいのだと思います。
しかし、体重の増加、特にお腹の内臓脂肪が増えることは、高血圧、糖尿病、脂質異常症、脂肪肝などと深く関係しています。
これらの病気は、初期にはほとんど自覚症状がないことも珍しくありません。
「今は困っていない」ということと、「この先も健康でいられる」ということは、必ずしも同じではないのです。
健康診断で血圧や血糖値、中性脂肪、肝機能などを指摘されている方は、体重を見直すことが健康改善のきっかけになるかもしれません。
❤️ 体重を少し減らすだけでも、体には良い変化が期待できます
「痩せるなら10kgくらい減らさないと意味がない」
そう思っている方もいらっしゃるかもしれません。
でも、必ずしも大幅な減量が必要なわけではありません。
肥満があり、生活習慣病のリスクが高い方では、現在の体重の3〜5%程度を減らすことでも、血圧や血糖値、中性脂肪、肝機能などの改善が期待できます。
例えば、
-
体重70kgの方なら、まず約2〜3.5kg
-
体重80kgの方なら、まず約2.5〜4kg
-
体重90kgの方なら、まず約3〜4.5kg
というイメージです。
もちろん、体格や病気の有無によって適切な目標は異なりますし、全員が減量する必要があるわけではありません。
それでも、体重を減らした方がよい方にとっては、「ほんの数kgでも健康にとって意味がある」ということを知っていただきたいと思います。
🚶 体重を減らすメリットは、検査の数値だけではありません
体重を減らす目的は、健康診断の数値を良くすることだけではありません。
体重が適切な範囲に近づくことで、膝や腰への負担が軽くなったり、階段の上り下りや日常の動作が楽になったりする方もいます。
肥満が関係する睡眠時無呼吸症候群では、減量によって症状の改善が期待できる場合もあります。
また、将来の糖尿病や心血管疾患などのリスクを減らすことにもつながります。
これからも自分の足で元気に歩きたい。
旅行や趣味を長く楽しみたい。
家族と元気に過ごす時間を大切にしたい。
体重を減らすことは、単に見た目を変えるためではなく、こうした将来の生活を守るための取り組みでもあるのです。
🍚 「食べる楽しみ」を全部我慢する必要はありません
体重を減らすと聞くと、
「好きなものを食べられなくなる」
「毎日運動しなければいけない」
「お腹いっぱい食べてはいけない」
と、つらい生活を想像してしまう方も多いと思います。
でも、私は食べる楽しみをすべて我慢する必要はないと考えています。
家族との外食や旅行先でのおいしい食事、特別な日のごちそうは、人生の大切な楽しみです。
大切なのは、そうした楽しみをなくすことではなく、普段の食生活を少し見直すことです。
例えば、いつも満腹になるまで食べている方なら、少し手前で食事を終えてみる。何となく食べていたお菓子を減らしてみる。
そんな小さな変化でも、毎日続けば大きな違いになります。
🎯 「痩せなければ」より「少し痩せてみようかな」
体重を減らすことを、義務のように考える必要はありません。
「先生に言われたから仕方なく痩せる」
「健康診断で注意されたから嫌々ダイエットする」
という気持ちでは、なかなか長続きしないものです。
それよりも、
「血圧が少し良くなるなら、やってみようかな」
「将来も元気に歩けるように、少し体重を減らしてみようかな」
「まずは2kgだけ減らしてみようかな」
そんな気持ちになっていただけたら、それが大きな第一歩だと思います。
最初から完璧を目指す必要はありません。
できることを一つ見つけて、無理なく続けていきましょう。
🏥 体重だけでなく、健康診断の結果も一緒に考えましょう
体重を減らした方がよいかどうかは、体重の数字だけで決まるものではありません。
身長とのバランスを示すBMIや腹囲、血圧、血糖値、コレステロール、中性脂肪、肝機能などを総合的に考えることが大切です。
また、高齢の方や筋肉量が少ない方などでは、無理な減量によって筋肉が減り、かえって健康を損なう場合もあります。
村瀬医院では、高血圧、糖尿病、脂質異常症、脂肪肝などの生活習慣病について、日々診療を行っています。
「自分は体重を減らした方がいいのかな?」
「健康診断の数値が気になるけれど、何から始めればいい?」
そんな疑問がある方は、健康診断の結果を持ってご相談ください。
🌷 まとめ|まずは「少し痩せてみようかな」と思うことから
体重を減らす方法は、世の中にたくさん紹介されています。
でも、どんな方法よりも先に大切なのは、自分自身が「体重を減らしてみよう」と思えることだと思います。
体重が増えていても、今は特に困っていないかもしれません。
しかし、体重を適切に管理することは、将来の高血圧や糖尿病などのリスクを減らし、これからも元気に生活していくための大切な取り組みです。
大幅に痩せる必要はありません。急いで結果を出す必要もありません。
まずは「少し体重を減らしてみようかな」と思うこと。
そして、今日からできる小さなことを一つ始めてみましょう。
その小さな気持ちの変化が、5年後、10年後の健康につながっていくかもしれません。
大府市中央町の内科・小児科・消化器内科 村瀬医院
大府市中央町2-100
医師 村瀬和敏(総合内科専門医・消化器病専門医・消化器内視鏡専門医)


