― 1~3月の受験に備えるなら、接種時期と回数を考えましょう ―
秋になると、インフルエンザワクチンについてのご相談が増えてきます。
特に最近よくいただくのが、
「1~3月に受験があります。いつインフルエンザワクチンを打てばいいですか?」
「早く打つと、受験の頃には効果がなくなってしまいませんか?」
「受験生なので2回接種した方が安心でしょうか?」
というご質問です。
受験生にとって、試験当日にできるだけ良い体調で臨むことはとても大切です。今回は、受験シーズンを見据えたインフルエンザワクチンの接種時期や、1回・2回接種の考え方について分かりやすくご説明します。
🦠 受験シーズンはインフルエンザに注意したい時期です
インフルエンザは例年、秋から冬にかけて患者さんが増え、受験シーズンと流行時期が重なることがあります。
さらに最近は、従来のように「インフルエンザは真冬だけ」とは言い切れず、流行の始まりやピークが年によって異なることもあります。
そのため、「受験日の直前に合わせてワクチンを打てばよい」という考え方はおすすめできません。
受験日だけではなく、学校生活や模擬試験、共通テスト、私立入試、国公立入試など、受験シーズン全体を考えて対策することが大切です。
📅 インフルエンザワクチンはいつ接種すればいい?
インフルエンザワクチンは、接種してすぐに十分な免疫がつくわけではありません。
一般に、接種後に免疫ができるまでには約2週間程度かかると考えられています。
また、ワクチンによる予防効果は永遠に続くものではなく、時間とともに徐々に低下していきます。
そのため、
「早過ぎても受験時期が心配、でも遅過ぎると流行に間に合わない」
ということで、接種時期に迷われる方が多いのだと思います。
1~3月に受験を控えているからといって、1月まで接種を待つ必要はありません。地域の流行状況や学校行事、試験日程なども考えながら、秋から初冬に接種しておくことを基本に考えるのがよいでしょう。
🎓 受験生は「本番の日」だけを考えないことが大切です
例えば、2月下旬の試験が一番重要だからと、
「2月に一番効くように遅く接種しよう」
と考える方もいらっしゃいます。
しかし、受験はその一日だけではありません。
12月や1月にインフルエンザにかかってしまえば、学校を休んだり、勉強の予定が大きく変わったりすることがあります。
大学受験であれば、1月の共通テストから2月・3月の個別試験まで長期間にわたることもあります。
そのため、特定の試験日だけにワクチンの効果を合わせるのではなく、受験シーズン全体を感染症から守るという視点で考えることが大切です。
💉 受験生なら2回接種した方がいいのでしょうか?
これもよくいただく質問です。
インフルエンザワクチンの接種回数は、年齢によって基本的な考え方が異なります。
日本で一般的に使用される不活化インフルエンザワクチンでは、原則として、
13歳未満は2回接種、13歳以上は1回接種
となっています。
そのため、高校受験や大学受験を控えた13歳以上の受験生について、「受験生だから」という理由だけで一律に2回接種することが標準的に推奨されているわけではありません。
「2回打てば効果が2倍になる」というものでもありません。
🤔 それでも2回接種を考える場合は?
13歳以上では通常1回接種が基本ですが、これまでの接種歴や基礎疾患などによっては、個別に接種方法を検討する場合があります。
「大切な受験だから念のため2回打ちたい」というお気持ちはよく分かります。
ただ、回数を増やせば必ず受験期間中の感染を防げるというものではありません。
年齢やこれまでのワクチン接種歴、健康状態などによって考え方が異なるため、迷われる場合は医師にご相談ください。
🛡️ ワクチンを打てばインフルエンザにかからない?
ここも大切なポイントです。
インフルエンザワクチンを接種しても、感染を100%防げるわけではありません。
ワクチンには、インフルエンザの発病を一定程度予防し、発病した場合の重症化を予防する効果が期待されています。
ですから、受験生の場合はワクチンだけに頼るのではなく、
- 手洗いをする
- 人混みでは状況に応じてマスクを活用する
- 十分な睡眠をとる
- 食事をきちんととる
- 部屋の換気をする
- 家族も体調管理を心がける
といった基本的な感染対策も組み合わせましょう。
👨👩👧 受験生本人だけでなく、家族の感染対策も大切です
受験生が気をつけていても、ご家族がインフルエンザにかかり、家庭内で感染することがあります。
特に受験直前は、ご本人だけではなく、一緒に暮らすご家族も体調管理を意識することが大切です。
家族の誰かに発熱や咳などの症状が出た場合には、タオルの共用を避ける、換気をする、可能な範囲で生活空間を分けるなど、家庭内での感染を広げない工夫をしましょう。
🌡️ インフルエンザ以外の感染症にも注意しましょう
受験シーズンに注意したい感染症は、インフルエンザだけではありません。
新型コロナウイルス感染症や感染性胃腸炎など、冬にはさまざまな感染症がみられます。
「インフルエンザワクチンを打ったからもう安心」と考えるのではなく、普段から睡眠や食事を整え、手洗いなどの基本的な感染対策を続けることが大切です。
体調がおかしいと感じたときには無理をせず、早めに休養をとりましょう。
🏥 接種時期に迷ったらご相談ください
受験生のインフルエンザワクチンについては、
「共通テストと二次試験の両方が心配」
「高校受験が2月にある」
「秋に打つのは早過ぎない?」
「2回接種した方がいい?」
など、ご家庭によって心配されるポイントが異なります。
基本的には13歳以上は1回接種ですが、受験日程や年齢、これまでの接種歴などを踏まえて考えることが大切です。
分からないことがあれば、接種時にお気軽にご相談ください。
🌷 まとめ
受験生にとって、インフルエンザワクチンは大切な体調管理の一つです。
1~3月に受験がある場合でも、受験直前まで接種を待つのではなく、秋から初冬のうちに接種して、流行シーズンに備えることを基本に考えましょう。
また、13歳以上では通常1回接種が基本であり、「受験生だから2回」というわけではありません。
そして何より大切なのは、ワクチンだけですべてを防ごうとしないことです。
手洗い、睡眠、食事、換気などの基本的な感染対策も続けながら、受験シーズンを元気に乗り切れるよう準備していきましょう。
受験生の皆さんが、これまで頑張ってきた力を本番で十分に発揮できることを願っています。
大府市中央町の内科・小児科・消化器内科 村瀬医院
医師 村瀬和敏(総合内科専門医・消化器病専門医・消化器内視鏡専門医)


