― 症状がなくても、放置せず一度確認しておきましょう ―
健康診断の結果が届いて、
「要再検査」
「要精密検査」
「医療機関を受診してください」
と書かれていたことはありませんか?
結果を見たときは気になっていても、特に体調が悪くないと、
「去年も同じことを言われたけれど大丈夫だった」
「忙しいし、また来年の健診でいいかな」
「病院へ行ったら薬を飲むことになりそうで嫌だな」
と、そのままにしてしまう方もいらっしゃいます。
しかし、健康診断の大きな目的は、症状が出る前に体の変化を見つけることです。
せっかく健康診断を受けたのであれば、「受けて終わり」にせず、異常を指摘された項目について一度きちんと確認しておきましょう。
🔍 「要再検査」と言われたら病気なのでしょうか?
まず知っていただきたいのは、「要再検査」「要精密検査」=すぐに重大な病気がある、という意味ではないということです。
健診時の体調や食事、運動、脱水などによって、一時的に検査値が変化することもあります。
再検査してみると問題がなかった、ということもあります。
一方で、再検査をすることで高血圧や糖尿病、脂質異常症、腎臓病、肝臓病などが見つかることもあります。
ですから、必要以上に怖がるのではなく、
「本当に問題があるのか、一度確認してみよう」
くらいの気持ちで受診していただくのがよいと思います。
💡 なぜ症状がないのに受診する必要があるのでしょうか?
40代、50代、60代と年齢を重ねていくと、高血圧、糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病が少しずつ増えてきます。
こうした病気の厄介なところは、初期にはほとんど自覚症状がないことです。
血圧が高くても元気。
血糖値が高くても痛くない。
コレステロールが高くても普段どおり生活できる。
そのため、「体調がいいから大丈夫」と考えてしまいがちです。
しかし、症状がないうちから適切に対応することで、将来の心筋梗塞や脳卒中などのリスクを減らせる可能性があります。
症状が出てから病気を治すだけでなく、症状が出る前から将来の病気を予防する。
健康診断には、そんな大切な役割があります。
📋 健康診断でよく指摘される項目を見てみましょう
🩸 ① 血圧が高い
健診で血圧が高かった方は、まず自宅でも血圧を測ってみることをおすすめします。
病院や健診会場では緊張して血圧が高くなる方もいるため、普段の血圧を確認することが大切です。
一方、自覚症状がなくても高血圧が続いている場合には、将来的な脳卒中や心臓病、腎臓病などのリスクにつながります。
「少し高いだけ」と何年も放置せず、一度確認しておきましょう。
🍬 ② 血糖値・HbA1cが高い
血糖値やHbA1cの異常は、糖尿病やその予備群を見つける重要なサインです。
糖尿病も初期にはほとんど症状がありません。
しかし、高血糖の状態が長く続くと、目や腎臓、神経、血管などに少しずつ影響が及ぶことがあります。
「甘いものをそんなに食べていないから大丈夫」とは限りません。
体重、遺伝的な体質、運動量、年齢なども関係しますので、数値が高かった場合は確認しておきましょう。
🥩 ③ LDLコレステロール・中性脂肪が高い
コレステロールや中性脂肪の異常も、健診で非常によく見つかります。
こちらも基本的には症状がありません。
特にLDLコレステロールが高い状態は、長い年月をかけて動脈硬化を進める原因の一つになります。
ただし、数値が高いからといって、全員がすぐに薬を飲まなければならないわけではありません。
年齢や血圧、糖尿病、喫煙歴なども含めて、治療が必要なのか、まず生活習慣を改善して様子をみられるのかを考えていきます。
🍺 ④ AST・ALT・γ-GTPなど肝機能の異常
「お酒を飲むから肝臓の数字が高いんだろう」
と思って、そのままにしていませんか?
肝機能異常には、飲酒だけでなく、脂肪肝、薬剤、ウイルス性肝炎などさまざまな原因があります。
特に最近では、飲酒量が多くなくても、肥満や糖尿病、脂質異常症などに関連した脂肪肝がみられる方も少なくありません。
必要に応じて血液検査や腹部超音波検査などで原因を調べます。
🫘 ⑤ クレアチニン・eGFR・尿蛋白など腎臓の異常
腎臓の機能低下も、初期には症状がほとんどありません。
日本には慢性腎臓病(CKD)の方が多く、本人が気づいていないケースもあります。
腎機能や尿の異常が続く場合には、将来の腎機能低下を防ぐために、血圧や糖尿病などを含めた管理が必要になることがあります。
「尿は普通に出ているから大丈夫」と考えず、異常を指摘された場合は確認しておきましょう。
📅 「去年も引っかかったけど何ともない」は大丈夫?
診察をしていると、
「毎年コレステロールが高いと言われています」
「肝臓の数字は昔から高いです」
というお話を伺うことがあります。
ここで気をつけたいのは、
「何年も同じだから大丈夫」ではなく、「何年も異常が続いている」可能性がある
ということです。
もちろん、詳しく調べた結果、経過観察でよい場合もあります。
大切なのは、一度きちんと評価したうえで「様子をみてよい」と判断されているのか、それとも単に受診せず放置しているのか、という違いです。
🏥 健診結果を持って、そのまま受診していただいて大丈夫です
「要再検査と書いてあるけれど、何科へ行けばいいの?」
と迷う方も多いと思います。
血圧、血糖値、コレステロール、中性脂肪、肝機能、腎機能、尿検査など、一般的な健康診断の異常については、まず内科へご相談いただけます。
受診するときは、健康診断の結果用紙をそのままお持ちください。
結果を確認しながら、
「再検査が必要なのか」
「追加の検査が必要なのか」
「生活習慣の改善から始められるのか」
「治療が必要なのか」
を一緒に考えていきます。
村瀬医院では、普段当院を受診されていない方や、これまで受診歴のない方でも、健康診断後のご相談をしていただけます。
💊 「病院へ行ったらすぐ薬を飲まされる?」と心配な方へ
これもよくある心配だと思います。
健診で異常があったからといって、必ず薬を始めるわけではありません。
例えば、食事や運動、減量、禁煙、飲酒量の見直しなど、生活習慣を改善して経過をみることもあります。
一方で、数値や他の病気との組み合わせによっては、将来の病気を防ぐために治療をおすすめする場合もあります。
大切なのは、「薬を飲む・飲まない」から考えるのではなく、今の自分の状態を知ることです。
そのうえで、ご本人と相談しながら今後の方針を考えていきます。
🌱 健康診断は「受けた後」が大切です
毎年きちんと健康診断を受けていることは、とても大切です。
しかし、異常を指摘されてもそのままにしてしまっては、せっかく早く見つかった体からのサインを生かすことができません。
40代、50代では何ともなくても、その積み重ねが60代、70代の健康状態に影響することがあります。
健康診断は、
「悪いところを探して不安になるためのもの」ではなく、「これからも元気に過ごすために、今できることを見つけるもの」
と考えていただければと思います。
🌷 まとめ
健康診断で「要再検査」「要精密検査」と書かれていても、必要以上に心配する必要はありません。
ただし、
「症状がないから大丈夫」
「去年も同じだったから大丈夫」
と放置することもおすすめできません。
血圧、血糖値、コレステロール、肝機能、腎機能などの異常は、自覚症状がないうちに見つかることが多いからです。
せっかく受けた健康診断です。
結果を「受け取って終わり」にせず、異常を指摘されたら一度きちんと確認し、必要であれば生活習慣の改善や治療につなげましょう。
健診結果をお持ちいただければ、当院でも一緒に確認いたします。普段当院に通院されていない方、初めて受診される方もご相談いただけます。
将来も元気に過ごすために、健康診断を上手に活用していきましょう。
大府市中央町の内科・小児科・消化器内科 村瀬医院
大府市中央町2-100
医師 村瀬和敏(総合内科専門医・消化器病専門医・消化器内視鏡専門医)


