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💧 検査で異常がないのに続く腹痛や便通異常 過敏性腸症候群について

「検査では異常がないと言われたのに、お腹の痛みや下痢・便秘が続いてつらい…」
このようなお悩みを抱えている方はいらっしゃいませんか。

それは過敏性腸症候群(IBS:Irritable Bowel Syndrome)かもしれません。大府市でも、若い方から中高年の方まで幅広い年代の方が悩まれている疾患です。


🩺 過敏性腸症候群(IBS)とは

過敏性腸症候群は、内視鏡検査や血液検査などで腸に炎症や潰瘍などの明らかな異常が見つからないにもかかわらず、腹痛や腹部の不快感、下痢や便秘などの便通異常が慢性的に続く病気です。

特徴として、
・腹痛が排便によって軽くなる
・下痢型、便秘型、混合型がある
・緊張やストレスで症状が悪化する

といった点が挙げられます。

命に関わる病気ではありませんが、症状が長引くことで外出や仕事、学校生活に支障が出ることも少なくありません。「周囲に理解されにくい」というつらさを抱える方も多い病気です。


🧠 なぜ起こるのでしょうか

原因は一つではなく、いくつかの要因が重なっていると考えられています。

・腸の動きの異常
・腸が刺激に敏感になっている状態
・ストレスや自律神経の乱れ
・腸内細菌バランスの変化

腸と脳は密接につながっており、これを「脳腸相関」といいます。緊張するとお腹が痛くなるのはこのためです。決して「気のせい」ではなく、体の働きとして起きている症状です。


🍽 日常生活でできる対策

過敏性腸症候群は、生活習慣の見直しがとても大切です。

① 食生活を整えましょう

・規則正しく食事をとる
・脂っこい食事や香辛料、アルコールを控える
・よく噛んでゆっくり食べる

さらに、近年注目されているのが「低FODMAP(フォドマップ)食」です。

FODMAPとは、小腸で吸収されにくく、大腸で発酵しやすい糖質の総称です。これらを多く含む食品を摂ると、腸内でガスが発生しやすくなり、腹痛や下痢、膨満感が悪化することがあります。

代表的な高FODMAP食品には、
・小麦製品(パン、うどん)
・玉ねぎ、にんにく
・牛乳
・一部の果物(りんご、桃など)

などがあります。

一方で、
・米
・にんじん、ほうれん草
・肉や魚

などは比較的影響が少ないとされています。

ただし、すべてを厳しく制限する必要はありません。
自己判断で極端に制限すると、栄養バランスが崩れることもあります。症状が強い時期に一時的に見直しを行い、自分に合わない食品を把握していくことが大切です。

② 生活リズムを整える

睡眠不足や不規則な生活は自律神経を乱します。
十分な睡眠、軽いウォーキングなどの適度な運動、リラックスする時間を意識しましょう。

③ ひとりで抱え込まない

「またお腹が痛くなるのでは」という不安が、さらに症状を悪化させることがあります。医療機関で相談し、症状に応じた治療やアドバイスを受けることで安心につながります。

必要に応じて、整腸剤や腸の動きを整える薬、下痢・便秘を調整する薬などを使用します。


🚩 受診の目安

慢性的な腹痛や便通異常が続く場合は、一度医療機関で相談しましょう。

特に、
・血便がある
・体重が急に減少している
・発熱を伴う
・夜間に強い腹痛で目が覚める

といった症状がある場合は、他の病気の可能性もあるため、早めの受診が大切です。


過敏性腸症候群(IBS)は、なかなか改善せず苦しむ方も多い疾患です。しかし、生活の工夫や適切な治療によって症状を和らげることができます。

「検査で異常がないから仕方ない」とあきらめず、つらい症状があればご相談ください。地域のかかりつけ医として、皆さんが安心して日常生活を送れるようお手伝いしていきたいと思います。

 

大府市中央町の内科・消化器内科 村瀬医院

医師 村瀬和敏(総合内科専門医・消化器病専門医・消化器内視鏡専門医)