🌸 はじめに
健康診断の結果を見て、「血圧が高め」と書かれていたけれど、特に症状もないし、そのままにしている…という方は少なくありません。
実際、診察室でも「様子を見ていて大丈夫ですか?」と聞かれることがよくあります。今回は、健診で血圧が高めと言われたときに知っておいていただきたいポイントをお話しします。
📊 血圧が「高め」とはどんな状態?
健康診断では、
・収縮期血圧(上の血圧)が130〜139mmHg
・拡張期血圧(下の血圧)が85〜89mmHg
といった場合に「血圧が高め」「境界域」と判定されることがあります。
この段階では、すぐに薬が必要というケースは多くありません。ただし、将来的に高血圧へ進行しやすい状態であることは確かです。
自覚症状がほとんどないため、気づかないうちに進んでしまうのが高血圧の特徴です。
⚠️ 放置するとどうなるの?
血圧が高い状態が続くと、血管に少しずつ負担がかかります。
その結果、将来的に脳卒中、心筋梗塞、心不全、腎臓の病気などにつながるリスクが高くなると報告されています。
「今は元気だから大丈夫」と感じやすいのですが、症状が出たときには病気が進んでいることも少なくありません。
🏥 すぐに受診したほうがいいのはどんな人?
次のような方は、一度医療機関で相談することをおすすめします。
・健康診断で毎年「血圧が高め」と言われている
・家族に高血圧や心臓・脳の病気がある
・体重が増えてきた、運動不足が続いている
・家で測ると血圧が高いことがある
・健診結果をどう見ればいいか分からない
「この程度で受診していいのかな?」と迷う必要はありません。
健診結果を確認し、今後どうするかを一緒に考えることが大切です。
🌱 血圧が高めの段階でできる対策
血圧が「高め」と言われた段階では、薬に頼る前に生活習慣を見直すことがとても重要です。
日常生活の中で、次のような点を意識してみましょう。
・塩分を控えめにする
・適度な運動を習慣にする
・体重管理を意識する
・お酒は飲みすぎない
・禁煙を心がける
・家庭血圧を測る習慣をつける
血圧が高めの方にとって、禁煙はとても大切な対策のひとつです。
これらを早めに始めることで、将来の高血圧を予防できる可能性があります。
🌼 まとめ・受診の目安
健康診断で「血圧が高め」と言われた場合、必ずしもすぐに治療が必要というわけではありません。
ただし、放置せずに一度確認し、今の状態を知っておくことがとても大切です。
健診結果をお持ちいただくだけのご相談でも大丈夫です。
結果の見方が分からない場合や、今後どうしたらよいか迷ったときは、かかりつけ医にご相談ください。
早めに気づき、無理のない対策を始めることが、将来の健康につながります。
大府市中央町の内科・消化器内科 村瀬医院
医師 村瀬和敏(総合内科専門医・消化器病専門医・消化器内視鏡専門医)


