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高血圧症~高血圧によるリスク・症状・予防・治療について

高血圧症について 〜将来の健康を守るために〜

今回は「高血圧症」についてです。

健康診断や日常診療で「血圧が少し高いですね」と言われた経験のある方も多いのではないでしょうか。高血圧は自覚症状がほとんどないため、そのまま放置してしまう方も少なくありません。しかし、高血圧は“沈黙の病”とも呼ばれ、気づかないうちに体のさまざまな臓器に負担をかけ、将来の大きな病気につながることがあります。

高血圧によって起こりやすい病気

高血圧は血管に常に強い圧力がかかるため、血管や臓器がダメージを受けてしまいます。その結果、以下のような重大な病気のリスクが高まります。

脳卒中(脳出血・脳梗塞)

血管が破れたり詰まったりして、命に関わることもあります。

心筋梗塞・狭心症

心臓の血管(冠動脈)が障害されることで、胸の痛みや突然死の原因になることも。

心不全

長期間の高血圧で心臓に負担がかかり、ポンプ機能が低下します。

腎臓病(慢性腎不全)

腎臓の細い血管が痛み、腎機能が徐々に低下します。

大動脈瘤・大動脈解離

血管の壁が弱くなり、命にかかわる病態に至ることもあります。

このように、高血圧を放置することは将来的に大きなリスクを背負うことにつながります。また高血圧症によって引き起こされる疾患は一度なってしまうと元には戻らないものが多く、予防が重要です。

高血圧の予防と生活習慣の工夫

血圧を正常に保つためには日常生活での工夫がとても大切です。

食事療法

減塩:日本人は塩分摂取が多めです。1日6g未満が理想ですが、まずは少しずつ薄味にして1日10g以下を目指しましょう。

野菜・果物をしっかり摂る:カリウムが余分なナトリウムを体外に排出するのを助けます。

バランスのよい食事:脂っこいものや加工食品を控え、和食中心がおすすめです。

運動療法

有酸素運動(ウォーキング・サイクリング・水泳など)を週に150分程度を目標に。まずは少しずつからでも!

• 急激な無理な運動より継続できる運動が効果的です。

生活習慣の改善

体重管理:肥満は高血圧の大きな原因になります。

節酒:アルコールは血圧を上げやすいため、適量を心がけましょう。

禁煙:たばこは血管を傷め、高血圧の悪影響をさらに強めます。

ストレス対策:深呼吸、趣味、休養などで心を落ち着ける時間も大切です。

高血圧の薬物療法について

生活習慣の改善だけで十分に血圧が下がらない場合、薬による治療が必要になります。

主に次のようなお薬が使われます。

カルシウム拮抗薬

ACE阻害薬・ARB(アンジオテンシン受容体拮抗薬)

利尿薬

β遮断薬

それぞれ作用の仕方や副作用の特徴があり、患者さんの年齢・合併症・体質などに合わせて使い分けます。薬は「一生飲み続けるもの」と思われがちですが生活習慣の改善と組み合わせることで減量や中止が可能になるケースもあります。

まとめ

高血圧は自覚症状がほとんどない一方で、脳卒中や心筋梗塞など命に関わる病気の大きな原因になります。

日頃の食事・運動・生活習慣の工夫で予防・改善できる部分も多いため、少しずつでも取り組んでみましょう。すでに血圧が高い方は自己判断で放置せず、早めに医師と一緒に適切な対策を進めることが大切です。

当院では血圧測定や生活習慣のアドバイス・必要に応じた薬物療法も行っています。気になる方はお気軽にご相談ください。

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大府市中央町の内科・消化器内科   村瀬医院

医師 村瀬和敏(総合内科専門医)